~信じることの意味~
経営をしていると、うまくいくことばかりではありません。
どんなに想いを込めても、どんなに環境を整えても、
人はそれぞれの考えや事情を抱えています。
だからこそ、時には「裏切り」とも感じる出来事が起こります。
私もこれまでに、信じていたスタッフに突然辞められたり、陰で会社や仲間の悪口を言われたり、
中には、会社の信用を傷つけるような行動を取られたこともありました。
言っている本人は「話しはしたが文句や悪口は言っていない」と
本当に言っていないと言わんばかりの顔で話す。
文句を言っている自覚が無いのか平気で噓をつく人なのか。
どちらでもいいが早めに辞めてもらうにこしたことはない。
最初は正直、怒りよりも悲しみの方が大きかった。
「なぜそんなことを?」と何度も考えました。
自分の力不足なのか、伝え方が悪かったのか。
悩む日もありました。
でも、ある時ふと気づいたんです。
人は、自分の見ている世界の中でしか判断できない。
私が信じているOARETの価値や理念も、
その人にとっては、まだ“本当の意味で届いていなかった”のかもしれない。
裏切りという言葉は、社長にとって重いものです。
けれど、その出来事から学べることもたくさんあります。
裏切られた時こそ、自分の「信頼の本質」が試される。
誰かを責めるよりも、自分がどうあるべきかを考える。
それを繰り返していくうちに、
私は“人を信じること”の意味を、少しだけ理解できるようになりました。
信じるというのは、「裏切られないことを期待すること」ではなく、
「相手を信じると自分で決めること」なんだと思います。
結果がどうであっても、信じた自分を恥じない。
それが経営者としての覚悟だと、今では感じています。
もちろん、裏切りは二度と味わいたくない経験です。
けれど、その痛みがあったからこそ、
“本当に信頼できる仲間”の大切さがわかるようになりました。
残ってくれたスタッフの存在、
苦しいときに支えてくれた仲間、
そして、それでもOARETを信じてくれたご利用者様たち。
その人たちがいたから、私はまた前を向くことができました。
裏切りは、終わりではありません。
むしろ新しい始まりのサインです。
人は去っても、想いは残る。
そして、その想いを引き継いでくれる人が、必ず現れる。
だから私は今日も、信じることをやめません。
それが経営者として、そして一人の人間としての私の答えです。
裏切られても、人を信じる。
それが、OARETの寺尾洋一でありたい。
傷ついてもなお、信じ続けること。
そこにこそ、本当の強さがあると私は思います。

